レガシーとITの真ん中にタクシーを JapanTaxi株式会社

Post from RICOH THETA. #theta360 – Spherical Image – RICOH THETA
JapanTaxiエントランス (360°view THEATAで撮影)
 
成長企業のオフィスデザインに迫るインタビュー企画。
今回は2016年3月に移転したばかりのJapanTaxi株式会社の紀尾井町オフィスをご訪問。
 
JapanTaxi株式会社 (旧 株式会社日交データサービス)
〒102-0094 東京都千代田区紀尾井町3-12 紀尾井町ビル
都内最大手のタクシー会社、日本交通を母体とする戦略IT会社として、モバイルアプリ「全国タクシー」と「タクシー料金検索」の開発と運営、タクシーに内蔵されている各種ハードウェアの開発と販売を行っている。
 
全国タクシー
今回オフィスをご案内いただくCMOの金さんとデータアナリストの中川さん

今回オフィスをご案内いただくCMOの金さんとデータアナリストの中川さん

ー移転してまだ数ヶ月と伺っていますが、元々はどちらのオフィスにいらっしゃったのでしょうか?
 
北赤羽の日本交通の本社兼営業所にオフィスがありました。
タクシーの営業所や整備場があり、駐車場もあるのでたくさんの車両に囲まれた環境でした。
いかにも昭和の会社といった感じで、私はずっとIT畑だったんですけど、これは一体何年物だろうという机が私のデスクでした。
 
エントランス前、オフィスの中心にはインパクト抜群のタクシーが

オフィスの中心にインパクト抜群のタクシーが

立地戦略から導きだされたオフィス、人を呼びたくなるオープンな空間と乗車体験。

ーこのオフィスはどのような経緯で選んだのでしょうか?
 
なぜこのオフィスにしたかというと、市ヶ谷の方に全国タクシー・ハイヤー連合会、霞が関の方に国土交通省があります。
永田町にも程近いです。
タクシー会社としてこの三つの間にある事は業務を円滑に進める上で重要で、このオフィスからだと両方に10分で行けます。
 
最初は六本木・渋谷・恵比寿など多くのIT企業がいるところも検討していましたが、88年目のタクシー会社のDNAを引き継ぎながらもITの力を使い新しいイノベーションを起こそうとしている会社なので、あまりにIT企業の集積地という立地もマッチしないのではないかと考え、この紀尾井町のオフィスになりました。
 
タクシーの運転手体験が出来る、操作方法を真剣に聞くoffieスタッフ

タクシーの運転手体験が出来る。操作方法を真剣に聞くoffieスタッフ

ーオフィスの真ん中にタクシーがあるのはすごくインパクトがありますね。
 
タクシーというレガシーな業界に対して、ITという新しい業界の融合。
JapanTaxiはその中間に位置している会社なので、オフィスの真ん中にタクシーを配置しました。
このタクシーはちゃんと乗れまして、運転手さんの体験ができます。
 
足元のレバーは後部座席の開閉用です、引き方の強弱でドアの開き方が変わるんですが、これはなかなか経験ができないんですよ。
このオフィスになって社員がお子さんを連れてタクシーの前で写真をとったり、エンジニアが仲間を連れてくる事が多くなりました。
 
IT企業らしいカフェスペースも完備、ランチミーティングなども行われている

IT企業らしいカフェスペースも完備、ランチミーティングなども行われている

デザインでコンセプトの共有を目指し、人が集まりやすい空間でイノベーションの誘発を狙う。

ー今回のオフィス移転にあたって、デザイン上でこだわった事や社員の皆さんの働き方に変化はありましたか?
 
今回のオフィスはデザインを考える上で「Brooklyn」というコンセプトを採用しています。
もとは全国タクシーのバージョンアップに関して弊社のデザイナーが決めたコンセプトなんです。
そこに内包されているのは「歴史」「親しみやすさ」「おしゃれさ」といった要素です。
 
JapanTaxiには様々なバックグランドや背景を持った仲間が集まるので、それぞれが一緒の方向を向けるようにデザイナーが一言にまとめた言葉、それが「Brooklyn」なんです。
アプリだけでなく、オフィス移転に際しても通ずるものがあるのでないかと考え、採用しました。
 
会議室はタクシーが主な交通手段として発達している町から、こちらはシンガポール

会議室はタクシーが主な交通手段として発達している町から、こちらはニューヨーク

オフィス移転の効果としては、仕事効率がどの部署も上がったと思います。
笑い話ではあるのですが、コンビニがとても近くなり、ランチに行けるところも増えました。笑
 
とてもオープンな会議室は一目で誰が会議しているかわかる

とてもオープンな会議室は一目で誰が会議しているかわかる

それに加えて、コミュニケーション量が増えました。
すぐ集まって話せるオープンなスペースが多いため、雑談がそのまま盛り上がって仕事になる事もあります。
いわゆるIT企業らしくなったなと。
 
こちらの会議室はその名もロンドン

こちらの会議室はその名もロンドン

ーIT企業らしい取り組みはあったりするんですか?
 
部活動を始めました!
私はボードゲーム部なんですけど、終業時刻が終わってからみんなで集まって活動しています。
テニス部やランニング部、サーフィン部などがすでに始動しています。
基本的に3人以上集まれば部活動として成立し、会社として補助もしています。
掛け持ちいている人もいて、みんなやりたい事がたくさんあるみたいですね。笑
 
セミナーにも使う大きな会議室、壁の黒板が良い雰囲気

セミナーにも使う大きな会議室、壁の黒板が良い雰囲気

ーこちらの大きな会議室ですが、黒板がこれまた良い雰囲気ですね。
 
仕切りを開く事が出来きまして、奥のカフェスペースと繋げてセミナー利用もできます。
社外の人を招いて勉強会や、今後はハッカソンイベントも開いていこうと思います。
タクシーを始めとしたリアルなものがありながらITもある、まさにIoTを体現しているオフィスだと思います。
加えて都心でありながら、清水谷公園という緑豊かな公園と隣接していている環境も素晴らしいと思っています。
 
オフィスはフリーアドレス制、社長室もなくフラットな雰囲気

オフィスはフリーアドレス制、社長室もなくフラットな雰囲気

言語化の難しかった移転プロジェクト、移転後の働き方と採用活動への変化。

ーオフィス移転後の働き方は変わりましたか?
 
繰り返しになってしまいますが、IT企業らしいオープンなスペース作りを意識したからか、社員同士のコミュニケーション量が一気に増えたと思います。
引っ越して来て、まずエンジニアの効率が上がった事に気づきました。
いろいろなエンジニアから作業スピードが上がったとのフィードバックをもらっているのは嬉しい事です。
会社としてはいい椅子を買ったんですけど、あえてバランスボールを椅子にしているエンジニアもいますね。笑
 
オフィスのご案内が終わることタクシーをみると人影が…

オフィスのご案内が終わるころにタクシーをみると人影が

ー社内的にはどのような企画チームで移転プロジェクトが進んで行ったんですか?
 
このオフィスには日本交通というタクシーのオペレーションに長けた会社と、ITで移動の仕組みをよくしていこうとしているJapanTaxiというITの会社が一緒に入居しています。
ですので、それぞれのエッセンスを表現するのに必要な人材で移転チームを作りました。
デザインに関しては5社が参加するコンペで行いました。
 
直近でアプリのリニューアルが控えていましたので、そのアプリの世界観を表現する事。
また80年以上続く会社のレガシーな部分、そして最新のIT企業らしいオープンマインドを反映させることが大事でした。
その中のテーマに一番即した提案を選ばせていただきました。
 
なんと川鍋社長でした、流石タクシー王子ですね

なんと川鍋社長でした。流石タクシー王子ですね。社長室もないだけにどこにでも出没するとの事です。

川鍋 一朗社長|日本交通株式会社代表取締役社長 兼 JapanTaxi株式会社代表取締役社長
 
ーデザインに関してはどのように決めていきましたか?
 
我々が求めていたのは88年続く会社の歴史×IT業界のオープンマインドというところでした。
業界の異なる二つの会社のイメージをデザインに落とし込む部分が難しく、どちらかに偏り過ぎないものを注意して選ばせていただきました。
 
今までもオフィス移転自体はありましたが、今回は「日本交通らしさ」と「JapanTaxiらしさ」を前面に出しつつ、働きやすい環境を追求しました。
どうやったら形にできるのか、言語化できない部分が多かったので特に難しく感じましたね。
 
オフィスが変わったことでエンジニアの効率と採用に変化が生じたという

オフィスが変わったことでエンジニアの効率と採用に変化が生じたという

ーこれだけ環境が変わるとエンジニア採用は変わったんじゃないでしょうか?
 
面接に来ていただく方からしても、我々が何をしているかがイメージしやすくなり、ご入社いただいた場合の具体的なイメージをしやすくなったと思います。
移転して2ヶ月ほどなので採用も本格化させていきたいですね。
 
オフィスについてまだまだ「こうしていきたい」「変えたい」というアイディアはあるので、一つ一つ実現していきたいですね。
週末に採用セミナーを行ったりすると参加者からはタクシー会社のイメージを良い意味で壊されましたという声をいただいています。
一方で真ん中にタクシーがあるので、あくまで事業の真ん中にタクシーがあるということを確認できますし、共有できる。
オフィスデザインを通じて会社のイメージが外部の方に伝わるので、採用については効果的だったと思います。

 

Editor's Note
エントランスからすぐ目に入る、タクシーを中心に据えた特徴的なオフィスデザイン。
そのタクシーに乗車して操作する体験は、大人も子供も楽しめるはず。
日本交通の88年間の歴史を感じられるギャラリースペースも充実しており、人を呼びたいと思わせるオープンなオフィス空間が非常に魅力的でした。
自社サービスのデザインコンセプトからオフィスデザインの方向性が決まっていった点も興味深いですね。
The following two tabs change content below.
Yuya Kiuchi

Yuya Kiuchi

クックパットやレシピ本を片手に手料理でおもてなしをするのが好きで、offie編集部内では料理長としての一面も。 ビールが好きで、美味しいお店は佇まいを見れば分かる。